非常に端的に:猫を助けた少女は猫の国に連れていかれ、身勝手な恩返しを受けるが、話の分かる猫たちの手で救出されて日常へ戻るという「異世界冒険物」。
あらすじ:クラスメイトへの片恋をあきらめきれない吉岡ハルはある時、車にひかれそうな猫を助ける。猫は流暢な日本語で礼を言って二足歩行で去っていった。その夜に「恩返しをする」という使者が来て、助けた猫・ルーンが猫の国の王子だったことを知らされる。翌日から猫の喜びそうなものを大量に送り付けられた彼女は「猫じゃないからもらってもうれしくない」と怒るが、猫の国の招待を受けてしまう。さらに猫王がハルをルーンと結婚させようとしていることまで知る。
どうすればいいかパニックになっているハルは、突然聞こえた不思議な声の助言を受けて「猫の事務所」へと向かう。猫の国は自分の時間が生きられない者が行く場所であり、自分を見失わないようにという助言を受ける。
その後猫にされたハルは泣きながら祝宴に参加していたが、猫の事務所のバロンやムタ、そして不思議な声の主でかつてハルが餌付けをしていた猫ユキの助力を得て猫の国から脱出。自分の時間を生き、自分を見失わない心を手に入れたハルは失恋を忘れ、しっかりと生きられる力を身に着けていた。
感想:いわゆる少女漫画系、それも恋愛とは全く別ベクトルの話なので、合わない人にはマジで合わないと思う。やっぱり聖蹟桜ヶ丘のロケーションがいいよね。
この作品は作品そのものを楽しむというよりも、なんか今一つパッとせんなぁという感想に「耳をすませばの月島雫が書いた物語」という位置づけが加わることで完成するという話である。つまり耳すまの後半の約束を彼女がかなえた形なのだ。