1日1本のアニメ映画を要求する!

嫌いな小説は森絵都の「カラフル」

11.崖の上のポニョ D

非常に端的に:5歳の男の子、宗介と魚の女の子、ポニョの心温まる物語。
あらすじ:魚の女の子(ブリュンヒルデ)は魔法使いの父・フジモトに育てられていたが、ある日勝手に外に出てしまい、ジャムの空き瓶に頭が挟まって動けなくなってしまう。保育園児の5歳児、宗介に助けられてポニョと名付けられた彼女は人間に興味を持つが、フジモトに連れ戻されてしまう。
ポニョは宗介に会いたい一心で家から逃げ出そうとし、その途中で「命の水」を浴びて人間の姿に変わってしまった。強い魔力を得たポニョは激しい嵐と高潮に乗って宗介の前に現れ、宗介はこの不思議な少女が魚のポニョだと気付いた。
しかしポニョは海の女神グランマンマーレの血筋を引く存在であり、彼女が宗介に会いに行くだけでも町は水浸しでおびただしい数の船が沖に流されてしまった。ポニョは世界に大穴をあけてしまい、このままでは破滅しかねないと大慌て。ポニョの母グランマンマーレは、ポニョを人間にしてしまえば良いのだとフジモトに提案。失敗すればポニョは泡になって消えてしまうと躊躇するフジモトを、グランマンマーレは「自分たちは元々泡から生まれたものだ」と諭して宗介とポニョに「母親の職場である老人ホームまで無事にたどり着く」という試練を与える。途中で眠りだして魚の姿に戻ってしまうポニョを連れて近場まで来た宗介はフジモトの案内を受けて老人ホームへたどり着き、宗介が心からポニョを好きなことと、ポニョが魔法を捨てても人間になりたいことを確かめたうえで、ポニョを人間にする魔法をかける。ポニョと宗介が陸に戻ってポニョにキスをすると、彼女の姿は5歳の女の子に変わったのだった。

感想:この作品は正しく「子供向け」である。これまでのジブリがちょっと迷走気味だった(特にハウルあたり)ところに、原点回帰のカンフル剤をぶち込んだような作品。
モチーフは人魚姫なのだが、あの話がキリスト教的なものに満ちていたのに対して、こちらはどこまでも子供の夢といった感じ。悪人不在。一番悪人っぽく見えるフジモトやトキさんも根っこにあるのは極めて善なる存在。なのでこの作品の鑑賞方法は、イカ娘と同じように「かわいい!」で十分だと思う。
実は作画がちょっとおもしろくて、特に建物あたりが意図的に絵本っぽくしてある。あと個人的に、実は「バズ・ライトイヤー」とか「ビジョナリアムのタイムキーパー」なんかの所ジョージの声が大好きなのだ。