1日1本のアニメ映画を要求する!

嫌いな小説は森絵都の「カラフル」

38.14番目の標的 S

非常に端的に:トランプの数字に見立てて毛利小五郎の知人が襲撃されていく。連続殺人犯の凶行を止められるか!?

 

感想:ラピュタコマンドーみたいな「すべてが名シーン」系の傑作。コナンの最高傑作といえば今でも名前が挙がるだろう。さらにこの作品に合わせて、毛利小五郎の設定が「ダメ刑事」から変わったり、目暮警部と白鳥刑事の名前が設定されたりと結構派手な設定変更があった。

まさに黎明期ゆえの熱にあふれた凄絶な作品で、摩天楼の大好評を受けてその路線でさらに進展させた感じ。「ABC殺人事件」を下地に子供にもわかりやすいトランプという意匠を使ってあり、そこに犯人役の熱演も光る。コナン映画の基礎が完成したのはこの作品で、毛利夫婦の不器用な愛情描写の原点も実はこの作品。不朽の頂点ともいえるのではないだろうか。

ただこの作品では犯人が農家(肥料が爆薬の元になる)ので爆弾調達に理屈がつけられたのだが、この作品で派手にやったせいでいわゆる「爆発ノルマ」が課せられてかなり苦しくなっていったのもまた事実。欠点はそこくらいかな…摩天楼と標的の2作は手放しで称賛できる面白さだ。