非常に端的に:引っ込み思案で言いたいことを我慢しがちな少年と、ツンデレっぽい鬼の女の子のボーイミーツガールに家族関係の話が入ってくる。
感想:なんというかこう…物語自体が起伏はないんだけど奇跡はどんどん起きて行って「お、おう…?おう…」って感じで、あんまり感動がない。
さらにどの辺を焦点にしてるのかがよく分からない。オタク向けというにはちょっと家族愛的な描写がねちっこいし、恋愛というには信頼や恋情をうまくはぐくめてない。どの辺をどう描くかってのがうまく定まってなかったような感じ。人と人の絆において個性を主張しろって話なんだろうけど、こういうメッセージ性のある作品って絶対凡庸になってしまう。キャラデザやポスターはいいんだけど、こう…コンビニの弁当みたいな感じ。ただ評価してもいいのは、スタッフロールの後に物語が継続する描写がある点かな…うーん。
こういう感想をしたためるたびに、自分は何を見たいのだろうか、と不思議になる。多分「秒速5センチメートル」とか「時をかける少女」とか「君の名は。」みたいな、恋を徹底的に軸にして奇跡の度合いがあくまで小市民的なもの…じゃないかなぁ。でも多分それって難しいんだろうね、だから奇跡や妖怪みたいなものに頼ってしまうのかもしれない。でもそれってあくまでも、冒険活劇と相性のいいものなんじゃないかなーと思うのだ。
で、物語ってあくまでもワンパターンなのだ。ホラーにおいて科学が勝つことはないし、エロ漫画にフェミニズムは出てこない。アニメ映画においては「愛」「絆」と評価できる感情が負けることはありえないので、どれだけ壮大な演出をしても、そこまでの感情移入の度合いが薄ければ「ああ、そう…」ってなっちゃうわけで、そう考えるとそこまでの道のりを丁寧にすること、今オタク文化に求められているものと正反対なものを出さなきゃいけないのかもなぁと思う。
これからのクリエイターにこれができるのか?おそらく無理なのだろう。