1日1本のアニメ映画を要求する!

嫌いな小説は森絵都の「カラフル」

71.サイダーのように言葉が湧き上がる C

概要:俳句少年と配信少女が、あるレコードをめぐって次第に仲を深めていく…。

 

感想:色遣いが結構独特で、ジョジョの原作のカラーイラストみたいな毒々しさで恋愛劇が行われる。この着想というか、和食の食材でフレンチを作るような面白さは実に評価できるものだ。ただ全体的にちょっと舞台が不自然というか、中途半端にリアルで中途半端にファンタジックな登場人物のせいで落としどころがよく分かんないことになってしまっており、オチも非常に弱い。作画は見どころではあるが、正直それだけである…むろん見どころがあるだけいいと思うんだけどさ。

こういう公共の場を恋愛という私事に用いるオチ自体が自分の好みに合わないというのは差っ引くとして、そういうオチを作るのであればやっぱり話の軸みたいなのは欲しいわけだ。恋愛を至上的に描くか、それとも日常的の些末なことと描くか、些末と描くにしても「本人たちにとって特別なこと」なのか「本人たちにも何気ないこと」なのか。ここの軸がはっきりしないと、どうしても感情移入がしづらい。