概要:母を幼いころに喪い、続いて父も事故で喪った少女ミーが、ポケモン「アンノーン」の力で父親を仮託したポケモン「エンテイ」を作り上げ、街を結晶化させてしまう。さらに母親を欲した彼女のためにサトシの母親を誘拐、サトシは救出のために結晶塔へ乗り込んだ。
感想:生命倫理のミュウツー、よくわかんなかったルギア、と続いてこの作品は「父親とは、家族とはなにか」という子供でも分かりやすいテーマにシフトしている。そこにいいところで助けに来てくれるリザードン(当時大人気だったポケモン)なんかの要素も加わって純粋エンタメとしての出来が良くなった。
「たとえ偽物でも、父親は父親」。エンテイ役の竹中直人の演技もあって純粋に「佳作」と呼べる出来にはなっていると思うというか、ポスト・ミュウツーの逆襲を狙ってポテンヒットになった感じの話って感じかなぁ。
現在では縁のなくなった話だが、昔はエンテイと言えば「伝説ポケモンの味噌っかす」「称号に負けた存在」だった。今はファイヤーのにらみつけるが有名のようだが、昔は「不動の唯一神エンテイ」「唯一王ブースター」「真・唯一神ファイヤー」の3つが不動の地位だった。
今はそういう味噌っかす枠がいないか、いたとしてもすぐに調整で強くなってしまうんだから悲しいものである。ショーン、アナカリス、ロールちゃん…弱いキャラってのは何か、愛らしい話題性みたいなものがあった。そういうのがなくなって、単にセットプレイをできれば誰でも勝てるような時代が訪れたとき、対戦ゲーに対してまったく興味がなくなった。エンテイは俺が時代遅れな精神性の持ち主だと気付かせてくれたポケモンだ。