概要:オーロラ観測中の事故でポケモンにトラウマを持った少年、トオイ。彼の不思議な相棒をめぐり物語が展開していく。
感想:この映画、現在のポケモン愛好家の間では評価がそこそこ高いようですごく時代を感じる。まぁレシゼクにケルディオに…とひどい話に接していたらそうもなるだろうが、上映された当時のポケモン愛好家からの評価はものすごく低いものだった。
というのも、それまでの6作品を思い返すと問題提起の重いミュウツー、絆や愛の大切さなどを説くルギア以外の4作品に対して、このデオキシスがやっていることというのは単なる怪獣大決戦、かつエメラルド版の販促なのにレックウザが「単に縄張りを犯されてブチギレた挙句街の防衛システムに負けるクソザコ」なのである。
あと、当時の商売事情というのも関係している。FRLGが育成に不向きすぎるROMかつちょっとボリューム不足や投げっぱなし感を感じる内容だったことや、正直もてあまし気味の外部機器(カードeリーダー+など)との連動などに加え、デオキシスの設定が明らかに後付けだったのだ。これは当時プレイしてないとたぶん分からないだろうね。当時はアプデとかDLCなんてなかったから、後付けでフォルムを追加されるとそれはもう大混乱を起こすのである。
そういう不信感に加え、いわゆる嘘予告シーンがものすごく印象深かったこと、単にデオキシスの聖人君子ぶりをアピールするだけで中身がこれまでの6作に比べ単純だったこと、これまでオマケでついていた短編が消えたことなど、とにかく叩かれる材料には事欠かなかったのだ。
こういうことが今は完全になかったことになってるんだからね…「ゲームの歴史ちゃんねる」みたいなもんで義務教育済ませてる連中の多さにうんざりして長寿ゲーをやめていく俺が言うのも詮無きことだが。