概要:ドラえもんの首につけている鈴が不調であり、これを修理するべく22世紀の「ひみつ道具博物館」へと行くことになる。そこで友達になる少年、そして起きる事件、ドラえもんが安物の鈴にこだわる本当の理由とは…。
感想:原作再現度が高いのが月面なら、こちらは原作要素の拾い方がうまい。これは本当に傑作で、おそらく新旧合わせたTier表を作るなら間違いなく最上ないし次点にはランクインするだろう。もしランクインしないんだったら、それは後半の友情押しつけが生理的に無理だったか、単に旧ドラへの信仰が強いだけのファナティックだ。というのもこの話、F先生の頃とは全く違った新しいドラえもんを作り出しているのである。
ドラえもんのひみつ道具がふんだんに使われている感じなので、イメージとしては「ドラベース」とかに近いかもしれない。きれいなジャイアンで有名な泉の女神が複数人で攻めてくるシーンなど、シュールで面白いシーンもある。あの手この手でしずかちゃんを辱める原作要素も健在で、脱衣の仕方がおそらく全作品でもっともスケベである(こんなもんよく2010年代の映画で通ったなと驚いたくらい)。
なんにせよドラえもんの映画を論じるなら、月面と博物館は必修だ。欲を言えばリメイク名作の宇宙小戦争と日本誕生、駄作枠で緑と人魚も見ておくと完璧である。