概要:自由研究のためにドラえもんのひみつ道具で地球を作って観察日記を書くことになるのび太。しかし本来の地球とは違った、昆虫ベースの奇妙な種族が誕生してしまった。
感想:これに関しては「日本誕生」の完全下位互換とする意見が結構ある。というのもこの話はそもそも下地がID論という現代社会だと否定されるべきものなのだ。さらにドラえもんたちが常に蚊帳の外におり、のび太のそっくりさんが様々なエピソードを繰り広げるのを単に見守るだけ。結局何の話だったわけ?
ただ俺みたいにこの話を高く評価する意見も多い。それはドラえもんの学習漫画や学習ビデオなんかになじみが深い層。彼らはドラえもんが世界の案内役になることに慣れているのでむしろこういう話は普段と毛色が違って興味深いのである。オチもフエルミラーは禁じ手感があるが、タイムパトロールやドラミの干渉みたいな真の意味での禁じ手は行っていない。
「映画や物語に対して何を求めるか、何を重んじるか」の差がそのまま如実に表れるのが、この創世日記への感想だと思うのだ。創世日記への評価が高い人間は、単純な勧善懲悪では満足できないオタク気質の強めな人だと思う。
なおF先生のSF短編の「創世日記」も下地に置かれている。俺はこの話が大好きでね…それをもとにしたSSを書いたこともありましたっけねぇ。ID論とか人間原理みたいに、当時の科学の限界から生まれた珍説って好きなんですよね。
あとやっぱEDの「さよならにさよなら」がめっちゃ名曲。