概要:アニポケの物語を現代のブランド事情で再構築。第1話で登場した「ホウオウ」を追いかけるサトシを描く。
感想:ポケモンの物語をリメイクというか、現代のブランドに合わせて徹底的にポケモン世界に合わせた上で、第1話に出てきた旅のきっかけ「ホウオウ」と、彼らを見守る「マーシャドー」の話を絡めつつ、特に初代の名エピソードだったバタフリーとヒトカゲにフォーカス。大人に向けた感じのリメイクにしてある。BGMも初代のものを使ってある。ゲストの相方もポッチャマとルカリオ、当時の人気ポケモンでご新規世代にも「なつかしさ」を感じるようになっている。そうなのよね、今は最初に選んだ御三家がキモリとかナエトルどころかハリマロンやモクローって世代の人も多いんだよな…。
ヒトカゲを捨てたトレーナー「クロス」に人気キャラのシンジの要素を加えつつ、兄への憧れの要素が強かったシンジよりもさらに勝ちにこだわる闇の深い人物としてリメイクしてある。そして当時、アニメ本編や映画にはホウオウのろくな出番がなかったのがようやく回収された。EDでアニメ本編の歴代の相棒キャラが登場しており、アニポケの初代ファンだった人に向けたまさに「大人向け」のリメイクって感じ。
ただ…あんまりこういうリメイクというか、「昔の皆様へ」みたいな路線を俺は好まないんですよ。「お前らこういうの好きでしょ?」みたいな感じがするし、信者化したファンが「これで感動しない初代ファンはいない!」みたいに言ったり、ひどいと初代の頃には生まれてすらなかった人が初代から詳しいようなツラで評するわけで。
懐かしい気分にはなったが、ポケモンというコンテンツを知らないで見たらたぶん「ミュウツーのがいいな…」って気分になったと思う。
ただポケモンはこの前手の13作くらいでマンネリ化を通り越してもう大迷走状態だったし、この時期はXY編やアローラ編が今までの路線とかなり異なるアプローチを仕掛けていた頃だったり、オリジンとかでブランドのバージョンアップを図ってた頃なので、そういう商売事情が透けて見えて興味深いって点を加味すると面白い。そういう工夫や苦心の跡を見るのが好きなんですよね、コンテンツってのはいいもんばかりじゃないからこそいいものがより一層いとおしくなる。愛情ってのは比較の問題です、すべてが好きなことは良し悪しが分からないのとまったく同じことなんですから。
あとピカチュウが途中でしゃべるシーンがあるけどそれ絡みで。「きょだいポケモンのしま!?」は初代世代にはめちゃくちゃ人気のある回でした。ピカチュウ、フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメ、アーボ、ドガースの6キャラに字幕がつくんです。普段ピカピカダネダネしか言わないやつと意思疎通ができる!ってことでそりゃあ人気があったもんです。この路線はアローラ編でもナレーションの吹替って形でやってましたが、やっぱ字幕が一番よかったかな…。