1日1本のアニメ映画を要求する!

嫌いな小説は森絵都の「カラフル」

120.みんなの物語 B

概要:風力発電で成り立つ「フウラシティ」に、老若男女を問わず様々な人がやってきた。まったく縁のなかった彼ら(サトシ含む)は、偶然が重なりあって縁を持つ。しかしロケット団のやらかしによって、町は大混乱に陥ってしまう。6人(+市長とゼラオラ)はそれぞれの技能を生かし、町の危機に立ち向かった。

感想:いわゆるマンネリ化打破を狙ったもので、前半に様々な訳アリの人物が出てきて、それらがみんな苦悩を持ち、それが町を巻き込んだ災害を解決しながら乗り越えていくという群像劇的な要素のある物語。意図的に石塚運昇氏によるポケモンの説明を最後に持ってくるなど演出の実験的な要素が多い。さらに多分なんだけど、意図的にゼラオラ以外のポケモンが金銀世代までしか出ていないようになっている。本当に大人、それも保護者ではなく「ポケモンのファン」に向けたものになっている。
そしてこの作品の特異なところは、明確に「ポケモンを所持した経験がない」人物が2人いるという点。いろんな意味で異色であり、タブーに踏み込んだ感がある。それ自体は俺はいいことだと思う。マンネリ化を打破しなきゃいけないから、いろんなことに挑戦していくべきだ。
ただ出来としては、ポケモンというよりは子供向けのアニメならできることをポケモンに落とし込んだって感じで、ポケモンに求めるものとはだいぶ違っていたという感想は否めなかった。そしてこの路線に行くんだったらそれこそもっと以前、RS時代にやっておくべきだったんじゃないかって気分が否めない。ルカリオとかジラーチは名作だけどさ…。
なんにせよ他の作品に比べて個性が際立っているので「見ていて退屈はしない」。ポケモン映画をヘビーローテしていたからなのかもしれないが(そりゃレシゼク、ケルディオディアンシーフーパなんて見た後だからなぁ…)、新機軸に挑戦している姿は素晴らしく、思ったほど悪くはない。ただ…大人向けにしてはテーマが子供っぽく、子供向けにしては話がちょっと重いし、パワポケ13みたいなもんで、「復活したのはいいが遅すぎた」って感が否めない。暇なら見てもいいかな的な映画ではあって、マーシャドーのやつよりは話の筋が通ってた…かなぁ。
あとゼラオラがあんまりポケモンあじを感じないんですよね。ロックマンエグゼの頃のコロコロコミックとかに出てきそうというか。ただこういうポケモンを対戦で見るの好きなんで、もっと一般で解禁する機会を増やしてほしいものです。ダークライとかスカイシェイミとかミュウは活躍させたことあるし、ゲノセクトマーシャドーは動画で見たことがあるのだけど、セレビィとかケルディオとかメロエッタを見たことはないんですよね。