1日1本のアニメ映画を要求する!

嫌いな小説は森絵都の「カラフル」

143.宇宙ショーへようこそ D

概要:ド田舎にいた5人の少年少女は、ひょんなことで犬型宇宙人のポチを助ける。お礼をしたいというポチに遠くへ連れてってくれと頼んでみると、なんと月の裏側の都市に連れてきてくれた。しかしポチが地球に来た理由、そして難儀していた理由は、地球にある植物「ズガーン(ワサビの一種)」だった。これが原因で、少年少女は観光がてら労働をしたり、ポチの故郷へ遠回りしたり、誘拐されたりと様々なトラブルに巻き込まれていく…。

感想:ドラえもん映画の宇宙旅行ものみたいな感じの話。前半は実にいいですねぇ、なんか「そうそう!こういうのでいいの!」みたいな気分になる。子供向けでありながらちょっと大人向けの部分もある。子供向けでありながら子供だましではない。作画も視覚から様々な部分に愉快を訴えてくる、ちゃんと光るものを持っているいい映画だと思います。だから『前半部だけなら』B。
ただその上で言うと、130分超えはいくらなんでも長すぎる。しかももののけ姫みたいにぎっちり詰まってるわけじゃなく、不要な部分に尺を多めに割いているくせに「結局それなんだったん?」みたいな不足感がある。特に後半のポチの因縁パートはメインキャラが変わってるわけで唐突な感じだ。俺たちは少年少女が見たいんだよ!ってなってしまう。削れる場所を削り、キャラをさらにうまく立てることができれば、さらにいい作品になったと思う。90分くらいにできれば学校とかでよく見られるアニメになっていただろう、そこが残念。
あと惑星ワンの情景をもう少しコーヤコーヤ星の「赤と青の月」みたいに凝ってほしかった。ただ前半は本当に、地球的すぎるとはいえ結構ワクワクする、ここは本当に面白い。
タイトルから「『君の知らない物語』とか『天体観測』みたいな曲を下地にしたようなねちねちした話かな?」と思ってたんだけど、案外面白くてびっくりした。もう少しシュッと仕上げてくれたら手放しに褒められたと思う。前半はちゃんと光るものを感じて期待しただけあって、後半のだれっぷりに結構がっかりしてしまった。オチはしっかりしてるんだけどなぁ…。
ああ、本当に後半にだれるアニメ映画の多さよ…後半もシュッとしてたジブリ映画とか「君の名は。」ってとんでもない作品だったんだなとしみじみと思う。