概要:鉄人兵団のわさドラリメイク。ザンダクロスの頭脳が「ピッポ」という新キャラと化し、彼を軸に「友情」の物語が展開されていく。
感想:巷だと「いいじゃないのよぉ!」と「許しがたき…!」と分かれるかなり賛否両論な作品で、俺は後者。
好きだった部分が軒並みバッサリ行かれてて割と真面目に「ふざけんじゃねぇぞ!?」ってなった映画。たとえばほんやくコンニャクを頭にのせて「やい!俺の体をどこにやったんだ、返せ!」って野太い男の声で凄む頭脳のシーンすごく好きだったんだけどなぁ…かっこいいロボットの中身が「話のまったく通じない相手」っていう不気味さが戦闘シーンとの落差を生み出すというか。あのシーンって要は「ヒョンヒョロ」みたいに、F先生が得意としてた部分が下地にあるわけよね。
それがかわいい動物になっちゃって、そいつを軸に友情を目に見える形で押し売りしているのはどうなんだろうか。そしてピッポに尺を割くせいでリルルの出番が少なく、それもあって彼女の捨て身の覚悟があまり理解できないものになっている。あのノリならピッポがもっと捨て身にならないとダメなのだ。
元の味を残しつつも別の味を引き出した日本誕生や宇宙小戦争に比して、新鉄人は名前が同じでまったく別の味付けになってしまった感じ。個人的には「悪い意味で21世紀っぽい」って感想になる。ただとっつきやすさ自体はあるので、模索の時期の映画だったと考えよう。
コミカルな喧嘩のシーンとかは割と光る部分はあるのと、時代柄なのかリルルの裸がますます色気を増している。これいいのか…?