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嫌いな小説は森絵都の「カラフル」

167.ネジ巻き都市冒険記 C

概要:「22世紀の福引のハズレ賞品」として何の使い道もない小惑星を大量にもらい、不機嫌なドラえもんのび太はもしかしたらいい星があるかもと考えてひとつひとつチェックをしていくが、読み間違えで地球型かつ動物不在の理想的な惑星にたどり着いてしまう。いつもの5人は「いのちのネジ」でおもちゃに命を吹き込んだ「ネジ巻き都市」を開拓していくが、そこに偶然凶悪犯「熊虎鬼五郎」が紛れ込んでしまう。

感想:人魚の直後に見たせいか、序盤がすさまじいハイテンポで驚く。しかもすごく和気藹々としてる。創造論とかにもつながっていて様々な面白さがある。
ただ山場が必要なので鬼五郎が出るのは分かるのだが、全体的にこの鬼五郎絡みや創造論がだいぶノイズになってて、しかも肝心のネジ巻き都市からドラえもんたちが追い出されてしまうというタイトル詐欺状態。「知らないオッサンのパート」の多さはやはり創世日記とかを好かない人にはつまらないわけだし、創世日記が好きな人にしても「個々の要素だけなら魅力的だったが軸がジグザグ」な印象が否めない。そこがシュッとしてたら評価は上がったと思う。
やっぱこのあたりのドラえもんはちょっと種が切れてきてる感がすごいのだが、この作品に関してはF先生の逝去で突然漫画を任されたむぎわら先生がめちゃくちゃなプレッシャーを感じながら書いたという事情などもあり、そういうところを考えるとむしろよく着地できてる方ではある。あと途中で出てくる「うらめしや~…」のところの手の出し方が林家木久扇(当時木久蔵)仕込みなのが面白い。ちゃんと手が縦になってる。