1日1本のアニメ映画を要求する!

嫌いな小説は森絵都の「カラフル」

200.言の葉の庭 S★

感想:この映画って言ってしまえば、40分くらいがクライマックスのシーンまでのタメという、ディズニーシーのタワーオブテラーみたいな映画である。
45分の短めの映画で、非常に現実にそくした話。青臭い少年と、それになんとなく惹かれていくダメ女という最悪な図式。暗い「耳をすませば」、現代的な「海がきこえる」というか、秒速がちょっとセンチメンタルすぎたのを恋愛脳としてアプローチしている感じというか、おねショタというか…。
ぶっちゃけラストの告白のシーンだけ見てればいい、みたいなところはあるんだけど、あの一瞬からの「Rain」が本当に美しいんですよね。夕日が突然さして、そこで感極まったように抱き着いて、花澤香菜の泣きの演技と表情の妙と新海誠のセリフセンスが組み合わさって、そこから「Rain」で5分の間に雨上がりのような余韻を残してくれるという素晴らしい演出につながっていく。音楽の使い方も効果的で、環境音の多さも素晴らしい。そうやって引き込まれて、ぐっとくるラストにしあがっているという。
刺さる人には相当に刺さると思うが、刺さらない人にはまったく刺さらない、そういうかなり極端な映画だと思う。