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嫌いな小説は森絵都の「カラフル」

173.のび太の新恐竜 C

概要:小学生向けの化石発掘体験に参加したのび太は、そこで偶然卵の化石のような石ころを見つけた。勝手に持って帰ってタイムふろしきで戻したところ、そこからは双子の恐竜、おてんばなミューとおとなしいキューが誕生し、ドラえもんのミニチュアジオラマセットを使って育てることになる。時を経てミューは滑空できるようになったが、キューはいつまでもそれができない。そして大きくなった2匹の恐竜が話題になってしまい、のび太たちはタイムマシンで過去の世界へ帰すことになる。しかし彼らが訪れた6600万年前の地球は、恐竜を滅ぼす隕石が落ちてくる時代だった。
備考:2006と新恐竜はまったくの別物。

感想:正確には「2006年からさらに刷新した作品」で、その2006とも大筋が似てるだけ。リメイクといえばリメイクなのだが、実際にはビーフストロガノフと肉じゃが並に別物。単純な2回目を作るというより、ポケモンで言うとFRLGとピカブイみたいな実験的な要素がふんだんに詰め込まれている。
そのため新恐竜の話をする際はこの区別をつけておかないと話が絶対にこんがらがる。
やっぱり令和的にリメイクしてあって、のび太が恐竜の卵を見つける理由が「夏休みの小学生化石発掘イベントに参加した際に偶然拾う」だとか、恐竜のデザインがいわゆる「羽毛恐竜」になっていたりだとか(それに伴ってシナリオもだいぶ変わっている)、白亜紀に来る際にも「テキオー灯」系の道具が使われたりだとか。道具もキャンピングセットがあんまり未来感がなくなってしまったせいか、「キャンピングバルーン」という気球みたいな道具になってるし。
話もかなりリモデルされていて、卵を孵すために温めるシーンがバッサリ削られて、そこを育雛パートにあてがっている。恐竜も優等生と劣等生の2匹になり、恐竜との絆をねっとりと結んでいくのを絶滅という運命が引き裂こうとするって感じになってる。令和雑学を下地にした解説パートとかもあって、2006が「のび太の恐竜のリメイク」なら、こちらはまさしく「新・のび太の恐竜」。だから連続視聴すると目立つんだけど、7作くらい間をおいてみると全くの別物って感じになる。
ただ正直…かつてのピー助で完成されたプロットをリメイクしてもなぁって気はする。あんまりこういう「かわいいだろ」って感じのマスコット化されたキャラが好きじゃなくて…。あとTPの描かれ方がだいぶ違ったり、悪役不在の話なのでお子様向けではなかったり。あと最後のキューは空を「滑空する」ではなく「飛翔する」個体だから守護られたってのが子供には分からないんじゃないかな…。
なんにせよ、「のび太の創世日記」とか、ほかにも日本誕生やネジ巻き都市の前半が好きなタイプなら好きなんじゃないかな、って感じ。逆に日本誕生の後半とか、悪役を爽快にやっつける鉄人兵団や宇宙小戦争、旧恐竜とかが好きだとものすごく物足りないかも。TVSPっぽさは抜けないが、かなり独特な味付けになってて退屈はしない。